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全建が中小企業の法人実効税率の引き下げを要望する裏事情

2014年08月25日

中小の建設業者で組織する全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)の2015年度税制改正要望がクローズアップされています。中小企業などの法人実効税率の引き下げなどを要望しているからです。

 法人税の引き下げについては、2015年3月末まで軽減税率が適用されていることや全国約250万社の4分の3が赤字申告法人で法人税を納めていないことなどから、税率引き下げに反発する人は少なくありません。
 東京商工リサーチの調べでも、建設業者の赤字申告割合は76%(平成13年度調査結果)を占めています。にもかかわらず、全建は来年度税制改正で現行の軽減税率の延長や抜本的な税率引き下げを求めているのです。ただ、課税範囲の拡大については「赤字法人が多いので」と慎重な検討を求めています。
 こうした全建の要望について、識者の間では「今年5月に国会で成立した公共工事の品質確保に関する法律(品確法)改正が影響している」と推察されています。首都高速道路をはじめとして、インフラの老朽化が指摘される一方で、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催へ向け新たなインフラ整備が始まります。政府は、安全・安心・快適なインフラを構築するために品確法を改正して、適正な価格で建設業者に公共工事を任せるよう法律で行政府や地方自治体を縛ったわけです。
 そもそも、公共工事の入札に参加するためには、黒字申告をしていなければなりません。したがって、今後増える公共工事の発注に備え、黒字を維持または黒字に転換する建設会社を支援するために、全建では中小企業の軽減税率の適用期限延長と法人税の実効税率の引き下げを税制改正要望に盛り込んだわけです。

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消費税の課税事業者の要件「特定期間」にご注意を―国税庁

2014年08月25日

平成23年6月に行われた消費税法の一部改正で導入された課税事業者となる要件「特定期間」について、国税庁が適用者に対して注意を呼びかけています。

 原則として、消費税は基準期間の課税売上高が1,000 万円を超えた段階で課税事業者となります。基準期間とは、個人事業者の場合はその年の前々年、法人はその事業年度の前々事業年度のことです。例えば、来年課税事業者になる個人事業者は、平成25年の課税売上高が1,000万円を超えている人です。
 この課税事業者となる要件が、平成23年6月に改正され、「当課税期間の前年の1月1日(法人の場合は前事業年度開始の日)から6カ月間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間においては課税事業者となる。なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる」という特定期間が創設されました。これについては、平成25年1月1日以後に開始する年または事業年度から適用が開始しています。
 したがって、今年1月1日から6月30日までの間の課税売上が1,000万円を超えている個人事業者は、来年から消費税の課税事業者となるわけで、今年12月31日までに課税事業者届出書を税務署に提出しなければならないわけです。 
いま特定期間の周知に国税庁が躍起になっているところです。

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法人番号の指定等に関する財務省令案への意見の公募結果明らかに

2014年08月18日

納税者番号制度(マイナンバー制度)の法人向けの付番方法などを定めた財務省令案に対するパブリックコメントを、このほど国税庁が取りまとめました。寄せられた意見は全部で8件でした。

 今回、国税庁が広く意見を求めていたのは、法人番号の指定等に関する財務省令案への意見でしたが、付番方法や番号の通知の仕方、届け出事項を変更するときの手続きなどに対する意見はほとんどありませんでした。意見というよりは要望が大半を占めています。
 具体的には「法人番号を発番する機関をISOに発番機関として登録されることを希望する」といったものや「業種毎の売上と利益情報をTOP100については毎年度公開する。せっかくの法人番号なので、できる限りの情報公開をしてはいかがか」とするものがありました。また、「法人番号の指定を受けるための届出及び変更の届出については、e-Taxによる電子手続を認めるべきである」と効率化に向けた要請もありました。
 さらに、番号管理に対する質問もあり「法人番号の指定等の作業を現在の国税庁組織のどの部門で管理運営していくのか、別の専門部門を設けるのか運営のあり方に疑問と不安がある」と番号の漏えいや不正利用を危惧する声も寄せられています。
 国税庁はそうした意見に対して「今後の法人番号の活用に当たっての参考とさせて頂きます」と回答し、省令案については「原案からの修正はありません」としています。

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医療機関や保険者などの消費税負担は10%時に1兆8600億円―保団連調べ

2014年08月18日

全国保険医団体連合会(保団連、住江憲勇会長)がこのほど、全国の診療所における消費増税に伴う医療機関の控除対象外消費税の影響調査を実施し、その結果を公表しました。

 保団連の今回の調査は、今年7月に行われたもので、全国の内科診療所19、内科以外の診療所12、合計31の診療所に対して実施。2014年度6月の電子レセプトデータを、改定前後の点数で置き換え、決算書データから、消費増税の影響などを調査しています。
 調査結果を見てみると、2014年度における消費増税対応分の保険収入は、平均でプラス0.73%。政府が医科本体に充てたと主張する「プラス0.71%」とほぼ同一でした。消費増税対応分を除いた実質改定率についても、プラス0.16%となり、政府の主張する「プラス0.11%」と、ほぼ同じでした。
 ただ、「在宅訪問診療料2」を算定する医療機関では、実質改定率が平均でマイナス4.40%となり、最大でマイナス10.0%の診療所もあったとしています。「在宅訪問診療料2」は、「同一建物における、同一日の複数訪問時」の新設点数で、従来の約4分の1に引き下げられたことが大きく影響したとしています。
 調査に伴い、保団連は、消費税率10%引き上げ時の医療機関、患者、保険者の消費税負担の試算もしています。5%時には医療機関の負担は、4300億円でしたが、今回改定分を考慮しても、10%時には1700億円増の6000億円です。薬剤費などを通じて、患者や保険者が負担する消費税は、5%時の5000億円から、10%時は7600億円増の1兆2600億円となるとみています。合わせると、医療機関、患者、保険者の消費税負担は、10%時に1兆8600億円にのぼることとなります。
 保団連では「医療機関でなく、患者らが不透明な形で負担するという矛盾が拡大する」として、社会保険診療に対する「課税ゼロ税率」を適用し、国が負担するように求めています。

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納税者番号制度の本格利用へ向け地銀協が関係省庁に要望書提出

2014年08月11日

一般社団法人全国地方銀行協会(寺門一義会長、地銀協)が、このほど、内閣情報通信政策監(政府CIO)、総務省、国税庁および厚生労働省に対して、電子納付の推進等のために望ましい施策とする要望書を提出しました。

 納税者番号制度(マイナンバー制度)が平成28年1月から本格的に利用開始することから、現在政府や全国の地方自治体などでシステム開発や事務手続きのマニュアル作成などが進められているところです。地銀協では、今回のマイナンバー制度が導入されるタイミングを、各地方公共団体の現行の業務や手続きを抜本的に見直して、電子納税を含めた電子自治体を一層推進できる絶好のチャンスと捉えています。
 そこで、地銀協は国と地方公共団体に対して、番号制度への対応に止まらない、より利便性の高い電子行政サービスの実現に向け今回の要望活動を実施したわけです。
 要望の中で注目したいのは、マイナンバー制度を効果的に利用できるようにするために、政府は施行後1年をメドに「情報提供等記録開示システム」(マイ・ポータル)を設置することになっているわけですが、このマイ・ポータルについて「各地方自治体が納税者に送付している納税通知書をマイ・ポータルに電子情報として掲載すること」としている点です。これにより、印刷、封入、郵送に要する手間やコストがはぶけるようになると説明しています。
 また、国税の電子申告システム(e-Tax)と地方税の電子申告システム(eLTAX)の連携を進めるよう求めていて、とくに、電子納税について地方税へのペイジー(ダイレクト方式)の早期導入を強く要望している点も見逃せません。

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消費税率が10%になると自動車保険の保険料が高騰する

2014年08月11日

損害保険に強いファイナンシャルプランナーたちが、消費税の税率が10%に引き上げられると、自動車の任意保険の保険料がアップするであろうと危惧しています。

 民間の損保会社が販売している自動車保険の保険料に対して、消費税は課税されません。非課税です。では、なぜファイナンシャルプランナーたちは消費税の税率引き上げで保険料も値上げされると予測しているのでしょうか。
 じつは、現状では非課税である損害保険料に「見えない消費税」が含まれる構造となっているのです。その見えない消費税とは、損保会社の支払う手数料や物件費などに課税されている消費税のことです。そのほとんどが仕入税額控除できないことから、支払った消費税が損保会社の大きな負担となっているわけです。そのため、損保会社としては消費税率が10%にもなると、損害保険料にその見えない消費税相当額を上乗せせざるを得ないだろうと言われています。
 自動車保険については、現在、保険料の値下げ競争が激化しているときだけに、消費税の税率引き上げにより、ほとんどの損保会社が苦しい判断を余儀なくされるはずです。事実、(一社)日本損害保険協会も政府に対する平成27年度税制改正要望の中で、「税率の引き上げに伴って拡大する、損害保険に係る消費税制上の課題(税の累積、税の中立性の阻害)を解消する抜本的な対策を検討すること」などを要望しています。

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なんと国内企業の3分の2が後継者不在―帝国データバンクの調査結果

2014年08月04日

来年から相続税の課税強化が始まりますが、国内の企業の3分の2が相続税を心配する前段階の「後継者がいない」という難題を抱えていることが帝国データバンクの調べで明らかになりました。

 このほど、帝国データバンクが、企業概要データベースCOSMOS2(145万社収録)と信用調査報告書ファイル(160万社収録)から、2012年度以降の後継者の実態について分析可能な28万4412社(全国・全業種)を対象に、事業承継、社長の高齢化などの後継者問題について調査しました。
 その調査結果によると、「国内企業の3分の2にあたる65.4%が後継者不在(前回調査からは0.5pt減)」で、社長の年齢別に後継者の不在率を見てみると、社長の年齢が「60歳代」が一番多く53.9%でした。2番目が「70歳代」の42.6%で、「80歳以上」の34.2%が3番目となっています。
 一方、後継者のいる企業における後継者の属性を見てみると、「子供」が構成比38.4%で最多。「配偶者」「親族」と合わせ同族が約7割に達しました。そこで、気になるのが非同族の後継者にも利用が可能となった事業承継税制です。帝国データバンでは、今回の調査で「前回調査と比較すると、配偶者を後継者とする社長が5.9pt減少した一方で、非同族が4.1pt増加。社長の高齢化に伴い、同年代である配偶者への事業承継という選択が難しくなっているほか、同族外への承継に際しても利用可能となった『事業承継税制』などもあり、後継者に非同族を選ぶケースが増えたとみられる」としています。
 調査結果から帝国データバンクでは「政府は日本再興戦略において、企業の『稼ぐ力』を高め、産業の『新陳代謝』を促進する方針を示したが、実現には、高い事業価値を有する中小企業をより強く、安定的に成長させるための円滑な事業承継のプログラムが必要となる」と提唱しています。

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国税の滞納額25年度末で1兆円超。消費税の滞納額は3,564億円

2014年08月04日

まじめに税金を納めている納税者にとって、税金の滞納者は許しがたい存在です。このほど、国税庁が平成25年度中の国税の滞納額を公表しましたが、依然として1兆円を超える税が滞納となっています。

 国税庁によると、滞納整理中のものの額として、平成24年度末の時点で残っていた額は1兆2,702億円でした。そして、平成25年度中に新規に発生した滞納額は5,477億円(前年度比7.7%減少)で、全国の税務署が頑張って平成25年度中に滞納を整理した額が6,765億円だったことから、滞納整理中のものの額として平成25年度末時点で残った金額は1兆1,414億円(前年度比10.1%減少)でした。
 納税者が注目しているのは、預り金的性質の消費税の滞納状況です。平成24年度末時点で滞納整理中のものの額として残っていたのは3,960億円でした。そして、平成25年度中に新規に発生した消費税の滞納額は2,814億円で、全国の税務署が平成25年度中に整理した消費税の滞納額が3,210億円だったことから、平成25年度末時点で滞納整理中のものとして残った金額は3,564億円(前年度比10%減少)となりました。
 消費税の滞納整理中のものの額は平成11年度の6,323億円がピークだったことから、現在は約45%減少しています。しかし、福祉目的で消費税の増税が行われたことから、国民感情としては消費税の滞納は腹立たしいものです。国税庁が来年発表するこの滞納状況で、仮に消費税の新規滞納額が増えたならば、預かった消費税を納付する義務を負っている事業者には、多くの消費者から厳しい監視の目が向けられることになるでしょう。

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